医学部受験

医学部受験校の選び方

今までの指導経験と自分の体験から、受験校をどこにするかが医学部受験には重要と感じます。
実力があるのに、受験校を誤ったためにもう1年浪人してしまうことは、18歳という最も活動的な期間が失われるだけでなく、金銭的にも本当に勿体無いです。(1年浪人することで失われる生涯賃金は、勤務医であれば1500~3000万円と考えられます。)

私は再受験で国立医学部を実質2浪で合格しました。当時は国公立しか選択肢がありませんでしたが、上手に選択すれば1浪で受かっていたかもしれません。
経済状況や人生観などは千差万別なので一人一人最適な受験校は違うことは承知しておりますが、この記事が読む方にとって受験校選びの一助となれば幸いです。

目次

医学部は卒業してしまえばどこでも同じ

医師として働く上で出身大学が影響する事はないという事が前提としてあると思ってください。出身大学によって専門科が制限されたり、給与に差が出ることはありません。大学教授を目指しているとかではない限り気にしなくても良いのではないでしょうか。

勤務医として一生医局の中で働くのであれば多少影響があるかもしれませんが、それよりも個々の医師としてのスキルやコミュニケーション能力の方が働く上では重要であることは間違いありません。その能力は受験勉強とあまり相関しないと感じています。

つまり、医師免許さえ取れればどこでも同じということです。その前提の上で、私が受験校選びで特に重要だと思うのは2点のみです。

  • 私立大学を選択肢から外さない
  • 易問高得点型の大学をまずは目標にする

私立大学を選択肢から外さない

家庭の事情で国公立を専願せざるを得ない方がかなり多いと思います。私も当時は両親に「私立は無理」と言われていました。しかし、医師になって仕舞えば学費は間違いなくペイできてしまいます。医師は公務員と同様に景気に関係なく安定しており、さらに比較的高収入が保証されています。親族、銀行などからお金を借りたとしても、かなりの確率で返済可能です。あまりおすすめしませんが、地域枠で奨学金を貰うこともできますので、平均3000万円と一般家庭としては高額ですが、医師になるという前提がある以上私立大学も十分選択の余地があります。

医師の年収を考慮すると、私立大学と国立大学の学費の差は長期的な視点では大きな差とは言えません。医師になれるか、諦めるかの差に比べれば微差と考えて良いです。1年でも早く医学部に合格し、医師としてキャリアを積む方が長期的な視点では間違いなく有利に働きます。

国公立と私立の最低偏差値大学との間には合格に必要な勉強量、実力に明確な差があることは間違いありません。国公立に固執して何年も浪人している人もいますが、2浪目からは私立大学も受験すべきです。

易問高得点型の大学をまずは目標にする

国公立医学部医学科は偏差値は東大レベルと言われていますが、必ずしも問題が難しい訳ではなく、他学部と同じ基礎問題が出る大学も多々あります。私立大学にも偏差値の割に難しい問題を出題する大学はありますし、科目によってかなり癖のある問題を出す大学があります。受験校を選ぶ際は、何よりも問題との相性を確認して決めることがかなり重要です。

持論ですが、基礎問題ができることは応用問題ができることの必要条件です。

(実際に入試で得点するには時間の制約があるため正しくない場合もあります)

応用問題は、基礎の定着なしには解けませんが、応用問題が解けなくても基礎問題だけで医学部に合格することができます。まずは川崎医科大学岩手医科大学、国公立であれば琉球大学弘前大学など偏差値が低く基礎問題の割合が多い大学を第一志望として、余裕があれば立地や学費から選択肢を増やして行けば良いと思います。基礎問題を重点的に勉強するメリットとして、共通テストで高得点が狙え国公立大学に繋がるという点もあります。もし受験に失敗したとしても、積み上げた基礎は確実に来年度に活かされ、選択肢を増やしてくれるでしょう。

私の失敗談〜面接なし大学を選んで撃沈

私は現役で進学した理学部を半年で中退し、そこから医学部受験を始めました。両親からは私立医学部は無理と言われていましたし、自分も安い方が良いと思っていたので、その年度は私立大学は受けませんでした。

ひたすら基礎を固めましたが、半年では国立大学医学部合格の実力はギリギリなかったと感じています。

共通テスト(センター試験)は84%とかなり微妙なラインでした。ボーダー以下だったので、センターでアドバンテージを得られない時点でかなり合格の可能性は低くなりました。

その年の最大の失敗は、面接の対策ができなかったので面接なしの大学を優先して選んでしまったことです。今は面接のない医学部は無くなったようですが、昔は東大以外にもちらほら面接のない大学がありました。

偏差値低めの地方国立大学を受けたのですが、問題に少しクセがあり、易問高得点型の勉強をしていた私にとっては相性が悪かったようです。受験校を決めた時点で私の合格確率は0になりました。

もしかしたら、面接はあるものの問題の相性が良い大学を受けていれば、可能性は低いものの1浪目で合格できたかもしれません。

医学部の面接は足切りのためのものです。最低限の対策を本を読んだり予備校で練習すれば大きな差がつくことはありません。宅浪で受験知識のなかった当時はそれが分かっていませんでした。面接対策をしていないから不利だと思ってしまったんですね。

面接は志望校選びに考慮せず、直前に最低限の対策だけしましょう。

最後に

医学部受験は戦略が重要です。自分がどんなタイプの問題が相性が良いのかを把握し、最適な受験校を選んでください。

最後にもう一度私のおすすめをまとめると、易問高得点型の大学、2浪目以降は私立大学も検討することです。

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